別れた彼に言ってしまった言葉。「そばにいてほしい」
別れた後、もうだめだって分かっているのに、彼にすがってしまった事があった。
言っても無駄なはずの言葉を言ったことがあった。
好きなんだけど別れた人がいた。
その人には「結婚」っていう考えがなくて、
好きならいっしょにいればいいっていう人で。
でも、私は、ふたりの未来には「結婚」があって。
他にも問題はあって、
考え方の違いもうめられなくて、結局彼とは別れた。
でも、その人とは別れた後も、会ってしまっていた時期があった。
お互いにキライになって別れたわけじゃなかったから。
何かと理由をつけて会ってしまっていた。
そんなある日、
私が仕事で大きなトラブルを抱えてしまって、
どうしようもなく不安で、
それを彼に相談した帰り道。
急に雨が降ってきちゃって。
ふたりで近くにあったガレージで雨宿りをしていた。
始めは、たわいもない話をしてたんだけど、
私、「そばにいてほしい」
って言っちゃったんだ。
そしたら、彼は「ごめん」って。
そうだよね。
そばにいることができないふたりだから、
別れたんだもんね。
でも、そんな残酷な言葉なのに、
あの人は私の手を握っていた。
言ってることと、態度が違うじゃない…。
そう思って、切なかった。
でも、それは彼を責めているんじゃない。
私自身を責めた切なさ。
弱い自分が悲しくて、悔しくて。
はずかしくて。
「ごめん。私帰るね」
そう言って、
つないでいた彼の手をほどいて、
雨の中、ひとりで帰った。
あの時、私、彼にすがってしまった。
弱い自分で、すがってしまった。
でも、そんなのずるいよね。
会社でトラブルがあったから、
彼がいない不安に押しつぶされそうになったから、
だから彼にすがってしまった。
彼を「好き」な気持ちだけじゃなかった。
「好き」な気持ちだけで、すがっていたら、
彼との未来は変わっていたのかな。
そんなことないか。
あの時、別れてよかったって、今は思ってるし。
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