失恋してすぐは、優しくされると自分が倒れてしまいそうで。
失恋して、どん底にいた時、心がすべてを拒否していた時期があった。
優しささえも拒否していたあの時期。
心がすさむって、こういうことをいうんだなって、
あの時、そう思ってた。
思いながらも、どうすることもできなかった。
彼との別れを知っている人には、優しくされると、
同情されているみたいで、みじめな気持ちになった。
それと、自分でもなんとなく分かっていた。
プライドみたいなものや、
親しい人ゆえへの甘えみたいな感覚。
失恋のことなんて全然知らない人、
仕事関係の人にも、優しくされるのがダメな時期があった。
失恋には全然関係ない。
雑誌の撮影の現場とかで、いろいろトラブルがあって、
バタバタしている時とか、
「大丈夫?」、「手伝おうか?」って言われるだけで、
涙が出そうになる時があった。
原稿の締め切りが迫っていて、
徹夜状態で原稿を書いている時に、
「無理しないで」って言われて、
ぐっと涙をこらてしまう時もあった。
誰も、失恋した私を励まそうしてるわけじゃないし、
助けようとしているわけでもない。
そんなの分かってた。
でも、そんなの分かっているのに、
心の中で、
「誰も私に声をかけないで。優しくしないで」
って叫んでいた。
変だよね。
心にぐっと力が入っていた。
そんな、心がすさんだ時期がありました。
ずっとじゃなかったけど。
失恋してから、半年ぐらいだったかな。
優しくされると、自分が倒れてしまいそうで、
ひとりの孤独の中にいることで、
自分を支えていた時期だったんだと思う。
あの頃は。
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