恋は終わったあともまだこんなにせつない

前回の失恋話の続き。

　　
私が２度目の失恋の時に言われた言葉。
「好きだけど、オレには、結婚するっていう価値観がないんだ。
　結婚は無理…。
　好きって気持ちだけで、いっしょにいることは出来ないのかな…」
　って言われた。

　　
これは難しい選択だった。

　　
私は、結婚したかった。
好きな気持ちだけで、いっしょにいる勇気はなかった。

　　　
子供だってほしいし、好きな人との関係の先には結婚があった。
これが、私の価値観。
間違いじゃないよね。

　　
でも、彼は違っていたの。
好きな気持ちだけで、いっしょにいること。
結婚なんてしなくても、気持ちでつながっていこうと思える人だった。

　　
この価値観の違いは、もう平行線をたどるしかなくて、
最後の頃は、いっしょにいても苦しかった。

　　
なぜあなたは結婚しないの？って聞いたことがあった。

　　
「結婚したら、守りに入っちゃう気がして、
　今のようにリスクの大きい仕事をするのがこわくなる気がするんだ」

　　
弱い人だったのかもしれない。
確かに彼の仕事は、大きなお金が絡んでいて、
自分の身をかけた仕事をしていた。

　　
でも、それが理由で、
家庭と仕事が両立できる自信がないから結婚できないって、
今思えば、この人といっしょになっても、幸せにはなれなかった。

　　
すごくまじめで、不器用な人だったのかな。
弱くて、ずるくて、孤独な人。

　　
別れてよかった。

　　
それなのに、なんであの時、彼の言葉に
あんなにも傷ついていたんだろう。

　　
あのまま、いっしょにいたら絶対に不幸になってたと思う。

　　
恋は盲目なんだねー。

　　
私たちの別れの言葉。
「結婚はできないな」
「……」
「オレはどうすればいいのかな」

　　
「私をふってほしい」

　　
そしたら、彼は、部屋のカギを
私の手のひらに、ぽとり返してきました。

　　
涙は出なかったな。

　　
恋のカタチもいろいろあるし、
結婚への考え方も人それぞれ。
どれが正しくて、間違っているかなんてそんなのはなくて、
自分の考え方や感じ方に合っているふたりが、いっしょになるのが、
しあわせな生き方なんだと思います。

　　
彼との出会いは、
人っていろんな考え方があるんだってことを知る勉強になりました。

　　
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